私が摂食障害にならずに済んだ理由

今から思えば、あの9月の雨の日に陸上の大会を
休まず、長距離の厳しい練習を続けていたら、
もしかすると、私も食べ物を一切拒否する

「拒食症」になっていたかもしれません。

でも、あの日、大会には行かず、ドーナツを
立て続けに食べるということをきっかけに
私は「拒食症」にならずに済んだ
のです。

そして、その後、今まで食べなかった分を
取り戻すかのように暇さえあれば
食べ物を口に入れていた時も、吐くということを全く
しなかったため「過食嘔吐」にもならずに済みました。

というより、当時の私は、指を自分の喉に
つっこんで咽頭刺激を引き起こして
胃の内容物を吐き出す術を全く
知らなかったのです。

しかし、例えその自発嘔吐の方法を知っていても、
食べ過ぎた後、トイレで喉に指をつっこんで
吐く、ということはしなかったと思います。

なぜなら、私には、一度食べたものを自発的
に吐き出す、という勇気はなかったと
思うからです。

そして、極限まで体重を減らす「拒食症」
になるまでダイエットを行うほど
意志も強くなかった。

その後、私は浪人、医学部受験、
6年間の医学部での勉強を経て、
精神科医になりました。

その11年の間、再びダイエット、食事制限を
行うことはありませんでした。

そして、医師になって2年目、初めて摂食障害
の患者さんの治療にあたる主治医になった時、
私の体重は55kgでした。

今でも、摂食障害の患者さんに対峙する時、
私は15歳から16歳にかけて体験した
自分自身の過酷なダイエット、摂食制限、
過食の一連の出来事を思い起こします。

私がダイエットに挫折した原因に
摂食障害を治すヒントがたくさん
見出せると思うからです。