嘔吐、下剤乱用のきっかけ

過食嘔吐に陥っている人は、意識しているいない
にかかわらず、この嘔吐時の快感を体験して
しまっているのです。


下剤乱用も同じことです。

下剤は、主に胃などの上部消化管での消化が
終わって、小腸を通過し、大腸に至ったもの
にターゲットを当てて、大腸での水分吸収を充分
にさせないまま便を排出させる薬です。

下痢を引き起こす際、大腸の平滑筋が急激に
収縮しますが、これが、下剤乱用時の末梢性刺激
にあたるわけです。

この刺激により、一連の嘔吐機序とほぼ同じように
大脳皮質も刺激されます。

下剤により水分吸収の不十分な便が直腸にたまる
(末梢性刺激)→直腸壁の進展→排便中枢→大脳皮質刺激
→便意→腹筋の収縮、肛門括約筋の弛緩→下痢便排出

嘔吐と同じく、下剤乱用による末梢性刺激が強いほど、
大脳皮質への刺激も強く、快感物質セロトニンが
多量に放出されます。

そして、身体の中の余計な水分、脂肪分を便とともに
排出できたというすっきり感も伴って、下痢乱用の
快感を大脳で感知してしまうわけです。

おそらく、嘔吐も下剤乱用も最初はほんの軽い
気持ちで行ったはずです。

食べ過ぎちゃったから、ちょっと吐いてみた。
余計なカロリーや脂肪を出すつもりでやってみた。
痩せるのに手っ取りはやい方法だと思って
ちょっと試してみた。

患者さんに最初の嘔吐や下剤乱用の状況を思い出す
ようにさせても、いまいち記憶が曖昧な人が
多いのはこのためです。

何回となく、何十回となく、このような不適切な
代償行為を行っているうちに、この行為が
当たり前にように思えてきてしまいます。

吐かなかったり、下剤を使わない時がちょっとでも
あると身体も脳も気持ち悪ささえ覚えてしまいます。