ご家族の苦悩

患者さんとの話では埒があかないので、
ご両親、あるいは母親とだけで
面談を行うこともよくあります。


患者さんが病院では体重を増やして
命拾いしたことに感謝しているものの、
退院後、また食べなくなったら
どうしようと不安で仕方ありません。

そして、この子は私たち親がいなく
なったら生きていけないのでは
ないか。

でも、私たち親はいつまでも生きて
いられないのだから、何とか
自分で食べて自立するように
してほしい。

とにかく親の心というのは複雑です。

しかし、専門家として親にアドバイスできる
のは次のことです。

摂食障害というのは、自分で治そうと
思わない限り治らない病気である。

たとえ、親や主治医がどんなに治そう
と頑張ってもご本人がその気になら
なければ治るものではない。

親にとっては本当に身を切るような
辛いことかもしれないけど、
ここは心を鬼にしてご本人を
突き放してください。

親がいつまでも庇っているのは、
ご本人が自分で考え、自分の
生き方を選ぶ妨げになります。

ご本人が食べないことを選んで
命を落とすようなことになっても
それは、ご本人の責任です。

いずれにしても、どっちに転がっても
ご本人の決めたことを尊重する、
そう覚悟を決めることが大事です。

でも、病院側としては、ご本人が
摂食障害を克服し、この病気で命
を落とすことがないよう、できる限りの
手段は尽くしたいと思います。

それより、ご両親は、子供からは距離
を置いた、ご自分たちの人生を充実させて
ください。