患者とご家族との面談

33歳女性の「神経性無食欲症」の患者さんが
入院された際に、患者さん、母親、主治医で
面談した実際例をご紹介します。


主治医:入院時25kgで本当に心配しましたけど、
    今32kgになって少し安心してます。
    でもまだまだ安心できる体重では
    ありません。

患者:余計なことをして!
   私はあのままの25kgでいたかったの!
   早く退院させて。
   そしたらまた自由に痩せることができるから。

母親:お母さんがどんな思いで毎日過ごしている
   と思っているの?
   もうあなたはあのままやせ細って死んでしまう
   のではないかと、本当に心配したのよ。

患者:私は死んでもいいと思っているの!
   あのまま痩せたまま死にたかったの!
   骸骨になってもいいと思っているの。

母親:あなたが今度行く所は、病院じゃなくて
   墓場かもしれないよ。

患者:それでいいじゃない!

主治医:そんな考えではまだまだ退院はできま  
    せんね。

患者:でも、食べているじゃない。
   これからどんどん食べるから退院させてよ。

主治医:食べるとか食べないの問題では
    ありません。
    これは心の問題です。

主治医:退院したら、また食べなくなって
    体重落とそうとするでしょう?
    それは、根本的にあなたの心が
    治ってないからです。

患者:でも30kg超えたら退院させてくれるって
   約束したじゃない。
   今、私は32kgよ。
   なのになぜ退院できないの?

母親は、この患者さんの意固地な態度に
口をはさむこともできず、ただ涙を流し
ながらうなだれていることが多いものです。