鼻腔栄養後


摂食障害の患者さん鼻から胃に管を
通した後、早速、高カロリー栄養剤を注入
します。


2週間以上も食べていない患者さんに対しては、
私は、下痢になることを覚悟で大抵
「エンテルード」を一日2回、注入します。

人間の胃腸は、たとえ一日でも食べ物が
入ってこないと、その動きをストップ
させてしまいます。

そこへ、久しぶりの食べ物が入ると
それが流動食であっても、胃と腸は
びっくりしてしまいます。

そのため、消化不良や急激な蠕動運動(腸の収縮)
を起こし、ひどい下痢、嘔吐が見られることも
あります。

この鼻腔栄養の管を鼻から抜いてしまう
患者さんもいますが、栄養剤注入のたびに
鼻から管を入れられることに嫌気がさして
次第に抜かなくなります。

強制的であれ、少しずつでも栄養が
入ってくると、2日後には、身体は
安定します。

この全く食べなかった患者さんも
栄養剤注入後2日目にして
意識状態も清明となり、
心臓の状態も安定してきました。

しかし、4ヶ月の入院中、自分から食べ物を
口に入れることはほとんどせず、毎日
鼻の管から注入する栄養剤で命を
つないでいました。

それでも、最後には、ビスケット、アイスクリーム
などを気が向いたときに口にするようになりました。

体重は23kgになり、郷里の心療内科に
紹介状を書き、通院治療をお願いしました。