全く食べない患者

「神経性無食欲症」の「無食欲」どおり、
全く食べ物を口にしない患者さんも
少なからずいらっしゃいます。


しかし、「無食欲」というのは必ずしも
正しくありません。

人間であれば、胃の中が空っぽになれば、
視床下部の摂食中枢が感知するため、
「空腹感(食欲)」を感じて当然なのです。

「神経性無食欲症」の患者さんも
最初は、この空腹感を感じていたはず
です。

しかし、「食べてはいけない」という
石よりも固い意志が、この摂食中枢の
働きを押さえつけます。

そして、いつの間にか胃が空っぽでも
食欲が湧かない身体に自分自身で
コントロールしてしまうのです。

全く食べないから食べ物に興味がない
のかというとそうでもなく、時として
押さえがたい空腹感に、はち切れそう
なほどの食欲と闘うこともあります。

また、故意に食べ物のことを考えない
ようにしているうちに、大脳自体が
食べ物に関する思考を拒絶してしまう
こともあります。

これは、食べ物を一切拒絶して
2週間目から見られます。

「神経性無食欲症」でも、わずかでも
食べる患者さんは、常に食べ物のことを
考えながら生活していることが
多いものです。

食べ物と体重、体型、このことが
「神経無食欲症」の患者さんの
思考の99%を占めていると
言ってもいいでしょう。